皆が笑顔で過ごしているのを見ていると





 ふと、笑いが零れた。







 笑顔溢れる現在<いま>
    





「ネスー、なに笑ってるの? 何か楽しいことあった!?」




 キラキラと何かを期待して顔を覗き込んだカービィを、ネスは笑いながら抱き込んだ。

 その目線の先には、スマブラメンバーがそれぞれ自分の過ごしたいように過ごしている。




「いやね、みんな変わったなぁって」

「そう?」

「そうだよ。始めて会った頃って、みんなしてこういう風に笑って過ごした事って、あんまりなかったじゃん」

「あー……」




 二人の目線の先には、マリオとピカチュウ、サムスにファルコンが食堂のテーブルでお茶をしている。

 もちろんネス達も含め、他のメンバーだっているのだが。そこにルイージが出来たてのお菓子を持ってきた。

 その表情は、こちらが呆れるくらいにニコニコしたものだ。




「あの時はあの時で、また切羽詰ってたしね〜」

「それに、いきなり違う世界の人とか言われても、すぐには信じられるわけないし」

「なになに? 二人してどうかしたの?」

「んー、昔の話してたの。始めて会った頃の」




 二人の会話に、カービィと同じように笑顔で覗き込んできたのはポポだ。

 そういえば、彼は初めの頃のメンバーを知らない。




「へぇ。やっぱり皆、昔とはいろいろ変わったわけ?」

「うん、もう全然! ぼくはあんまり変わってないけど、ルイージやサムスはもっときつい感じだったよ。ネスとかピカチュウは、あんまり皆と仲良くしようとしないで一人でいることが多かったなぁ」

「もう、そのことあんまり言わないでよ! あの時はまだ、PSIの扱いが上手くいかなかったからんだから、しょうがないじゃん!」

「そうなんだ。なんか意外だなぁ」




 カービィの頭を軽く叩いたネスを見て、ポポが意外そうにメンバーを見渡した。

 ルイージはメンバーと軽い冗談を交わしながら談笑しているし、サムスも笑顔でファルコンと二人で何か話している。

 ピカチュウに至っては、リュカやトゥーンリンク、なぜかナナとお菓子の取り合いを始めている。

 とても、二人が言うような様子は見当たらない。




「でも、一番変わったのは」

「やっぱり、ね」




 ネスとカービィが笑顔を交わし、その続きを言おうとしたところで、食堂の扉が勢いよく開いた。

 とんでもない勢いで食堂に入ってきたのは、大きな白右手袋・マスターハンドだった。




「皆よく聞け!! 今月の末にはハロウィンとか言うのがあるらしいじゃないか! というわけで、当日は仮装を義務付ける!!」




 声高々に宣言した内容に、メンバーの多くが「なにぃいいぃいいぃ〜!?」を唱和した。

 もちろん中には、ノリノリの者もいる。たとえばピーチとか。

 皆がどういう反応を示したところで、結局は『神』が決めたことで、自分達には拒否権は無い。

 だが、皆が心の奥で楽しみにしているのは、言うまでも無い。




「あ、そういえば、一番変わったのって誰だったの?」

「それはねー」

「まぁいいじゃん! もう今は皆、こうして笑顔で過ごしてるんだから!」




 笑顔の二人が見ているのは、一部の反対実力行使派にフルボッコにされているマスターハンド。

 だが、両者本気でない上に、どこか楽しそうだ。





 二人の言うとおり、この場所には笑顔じゃない人なんていなかった。




fin.




万打のネタバレにならない程度にしたので、リクエストにあまり添えていないかもしれません;
自分の中で、64時のメンバーはなんかもう今と本当違うといいと思います(何
ちなみに最後の、ファルコ・ウルフ・スネーク辺りがフルボッコしてます。
でも、マスターも皆もじゃれてる感じです。



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