宴も過ぎ、子供たちが夢を胸に眠りにつくとき……。
この夜に限り、世界は光に包まれる。
聖夜の想い
音を立てないように、静かに戸を開けて部屋の中へ忍び込む。
中に入った瞬間、二人(と一つ)は感嘆の声を上げた。
「すげぇ……」
「綺麗……」
部屋の中のはずなのに、まるで夜空の中に飛び込んだかのよう。
宇宙に愛された星の戦士・カービィの部屋には、いたるところに星のモニュメントがあしらってあった。
「おい、それよりさっさとしないと起きるぞ」
「あ、そうだった」
「えーっと、なになに……」
靴下の中から、ルイージが紙を取り出す。
サンタさんへ!
マキシムトマト100こ スイカ50こ
ケーキ10こ ローストチキン10こ
無敵キャンディ20こ プリン30こ
よろしくお願いします!
カービィ
「「……」」
「……なんだ、このとっても具体的な内容は」
「うん、すっごい具体的だね。数まで指定してあるし」
「まぁいい。望みどおり全部用意してやる」
少し笑ったようにマスターが言う。そして、マリオに右手を前に出すように指示した。
「こうか?」
「よし、そのまま力を込めてみろ」
言われたとおりマリオが力を込めてみると、ポンッという音と共に、部屋の半分を占めるほどの
大きなプレゼントボックスが出てきた。
「おぉ!」
「わぁ、兄さん凄いや!」
「兄さんじゃない、凄いのは私だ私」
マスターが憮然としたように言うが、当のルイージはその抗議を無視して自分の袋をあさる。
取り出したのは、小さな包み。リボンの端には小さな星があしらってあった。
「それは?」
「今夜のために焼いてたんだ。……でも、これだけ食べ物があったらいらないかもしれないけど」
「そんな事ないさ。こいつには幾らあったって足りないだろ」
苦笑気味のルイージの方をマリオが笑いながら叩いた。
匂いにつられたか、ベッドの中でカービィが微笑んだ。
Merry X'mas
カービィ