二周年記念
胡蝶の夢
温かいミルクティーも飲み、裏口から再び玄関へ。
来た時と違って日も暮れ始めた今では、先程の桜も違って見えた。
腕時計に目を落とし、約束の時間までのカウントダウンをする。
あと10秒、9、8、……4、3、2秒、1秒……!
秒針と共に、長針が12を指す。
それを合図に、再び屋敷のドアを開けた。
「「いらっしゃーい!!」」
パンパンと弾けた音と共に、メンバーの声が響いた。
びっくりして屋敷の中への一歩が踏み出せないで居ると、ここぞとばかりに紙吹雪がふりかけられる。
「いらっしゃい!」
「いつも来てくれて、本当にどうもありがとう」
「今日はプリたちの招待でしゅ! 遠慮なく楽しんでいくでしゅよ」
「さっきは何処行ってたんですか? 部屋から出ないでとお願いしたのに!」
「あれ? なんでリンク来てたの知ってるの?」
「あ、もしかしてリンクも会ってたのかな」
「なんだ。もしかして来てたのか?」
「Hey! せっかく驚かそうと思ってたのに、そりゃないぜ!」
「まぁまぁ、いいじゃないソニック。それより上がって? ごはん冷めちゃうしね」
「まぁ待てルイージ。その前に言うことがあるだろ?」
得意げな表情でスマブラメンバーの前に出てきたマリオが、満面の笑みでその右手を差し出す。
「「いつも此処に来てくれて、本当にありがとう!!」」
例えこれがもし、夢の話でも。
あなたに、精一杯の感謝を。
そして、たくさんのありがとうを。
Top