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夏の夜の華
三人のお腹が仲良く合唱したところで、夜ご飯となるもの探して歩き始める。
少しはなれたところから、たこ焼きのいい匂いがしてきたため、そちらに向かうことにした。
「すいません! たこ焼き三つください!!」
「ご、ごめんよ; もう少し待っててもらえるかい? さっき、とんでもない量の注文受けちゃってね;」
それを聞いたとたん、三人は即座にある人物(?)の顔を浮かべた。
互いに顔を見合す。
「カービィとヨッシーだね」
「絶対そうですよ」
「あいつらもうこの辺り食べて始めてるのか。早く買わないとなくなるかも!!」
トゥーンリンクのその一言で、三人ははっとなる。
たこ焼き屋のおじさんに作ってもらっている間に、三人は走り出す。
「と、とりあえず飲み物買っとこう!」
「そ、そうですね!!」
「あ、あそこに売ってるぞ!! 行こう!」
三人は手近な店を見つけ、そこでそれぞれジュースを購入した。
ネスがコーラ、リュカはサイダーで、トゥーンリンクはメロンソーダだ。
と、ネスがコーラで喉を潤していると、視界の端に何かが映った。
リュカとトゥーンリンクの服の端を引っ張る。
ネスが指差す先に、見知った姿があった。
「ねぇ、あれ……」
「サムスさんと、ファルコンさんだね」
「浴衣のサムス姉ぇちゃんかわいいな。二人で、夏祭りデートかな?」
浴衣姿の二人が、一緒に並んで座っている。
ファルコンもいつものヘルメットは被っておらず、なかなかいい絵になっているようだ。
「あれ、でもあの手に持ってるものは……」
「……やばいね」
「え? どういうことだよ、ネス」
二人の手には、ビール。しかも周りにもいくつか空き缶が転がっている。
と、顔の赤くなったサムスが大声で笑い始めた。
隣で肩を震わせているファルコンの肩をバシバシと叩く。
「え、サムスさん、どうしたの?」
「サムスは笑い上戸、ファルコンは泣き上戸なんだよ」
「うわ、本当だ」
「二人とも結構強いんだけど、一線越えちゃうともう手に負えなくてさ」
ネスのその言葉どおり、サムスの笑いとファルコンの涙は止まるところが無いようだ。
面倒なことに巻き込まれる前にと、三人はその場を離れることにした。
と、その時、ひゅるひゅると情け無い音が響いた。
その場にいた全員が夜空を見上げる。
一瞬の後、大きな音とともに花が咲いた。
「うわぁ……」
「綺麗だねー……」
「花火もこうやって見ると、綺麗なんだよなぁ」
「あ、見て」
リュカの指差した方を見ると、先程まで笑いくれて、泣きくれていたサムスとファルコンが夜空を見上げている。
突然の音に、少しだけ酔いが醒めたのか、サムスがファルコンの方に頭を預けるように寄りかかった。
それを遠くから眺めていた三人は、その場から離れた。
「邪魔しちゃ悪いしね」
「そうだ! たこ焼き!!」
「そうだよ! カービィ達が来る前に取りに行かなくちゃ!!」
そう言って駆け出した三人の背を、夜の華は幾度も照らした。
エンディング2
大人と、大人のような子供を照らす華