三周年記念
三度目の手紙
〜3年目のありがとう〜
二本足で立っている狐が、困ったように頭をかいている。
その横では、同じく二足歩行をこなす青い鳥がめんどくさそうな顔で立っていた。
「あー、その。一番初めに言うべきだったんだろうけどな。
いつも俺達のゲームで遊んでくれる君へ。どうもありがとう」
「操作ミスして何度もコンティニューして、挙句途中で放置してねぇだろうな?
ちゃんと最後までプレイしろよ」
「ファルコ、今はそんなこと言う機会じゃないぞ?」
「知るかよ。いい機会なんだから、途中放棄してるゲームのこと思い出してもらえよ」
「お前、自分が主人公のゲームが出ないからってそんなに拗ねるなよ」
「誰 が そ ん な こ と 言 っ た ?」
ファルコの睨みもどこ吹く風で、フォックスは再びこちらへ笑顔を向ける。
「こいつ、素直じゃないからなかなか『ありがとう』って言えないんだ。ごめんな」
「うるせぇぞてめぇ」
「いつもいろんなゲームしてくれてありがとう!
まだまだこれからもいろんなゲームが出るかもしれないし、出ないかもしれない。
でも、これからも君を楽しませていくことができたら、俺たちは本当に嬉しいんだ」
「だから、ちゃんと最後まで楽しめよ。クリアできたら、ありがとうって言ってやるから」
「……本当お前って素直じゃないよな」
「ほっとけ」
少しだけ顔を赤くしてそっぽを向いているファルコに、
フォックスは思わず笑ってしまった。
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