一年に一度、私の大切な人へ。
貴方に贈る、甘い想い
* いたずら好きで手の掛かる、親愛なる王様へ
朝食のために集まってきたみんなの驚く顔を前に、満足げにうなずいてやった。
足下では、ワドルディ達がせわしなく行き来している。
「まぁ、オレ様これでも一国の王様だからな! これぐらい当然のことゾイ!」
「デデデ凄いね」
「こんなんでも、ちゃんと王様だったんだなー」
「軽くひと山はありますね……」
「大王すごいねー。ぼくにもちょうだい!」
「だれがやるか!」
呆然と見上げるネス、トゥーンリンク、リュカを前に笑っていたら、カービィがチョコレートの山にダイブするところだった。
危ない危ない。こいつにかかれば、せっかくのチョコレートも一瞬で消えてしまう。
ほんとに、油断も隙もない。
「どーせお前のとこにも来てんだろ」
「こっちにいるときはそうでもないよ。ねぇーチョコレートー」
「やらんっ!」
「それにしても、ホント凄い量だね……」
「オレ様は国民に慕われてるからな!」
隙あらばチョコレートを吸い込もうとするカービィの口を抱え込んで塞ぎつつ、ポポの言葉に笑顔を向けた。
チョコレートを運んでくるワドルディは、まだまだ途切れそうにない。
そんなワドルディの間を縫って、メタナイトが近づいてきた。
手元には一枚の紙切れ。
「陛下」
「なんだなんだ、メタナイトもオレ様にチョコレートか?」
上機嫌ついでに、カービィをもちもちしながらメタナイトにそんな冗談を言ってみる。
他のみんながおおっ、っと見守るなか、小さく首を横に振ったメタナイトが、ペラリと紙切れをこちらに見せた。
「いいえ違います。プププランド各地の洋菓子店から、陛下宛にチョコレート100個分の請求がきています」
「……」