みんなのお母さん と 星のこども
ありがとうの手紙
〜たくさんのありがとう〜
ルイージがスキップしそうな勢いで廊下を歩いている。
四つ折りにされた手紙を持っているその顔は、にこにこととても嬉しそうだ。
そんな彼のもとに、ピンクのボールがぽよんぽよんと跳ねてくる。
「ルイージ!」
「カービィ?」
ルイージがその声に振り返ると、カービィが一枚の紙を手に走ってくる。
そして足元まで来た彼は、その紙をルイージに差し出した。
「はい、ルイージ! いつもありがとう!」
「え? うわぁ、僕に? ありがとうカービィ」
目線を合わせるようにしゃがんだルイージは、受け取ったその紙に目を落とす。
カービィの体より幾分か大きいそれは白の画用紙で、そこにはいろとりどりのクレヨンで文字と絵が書いてある。
緑の服を着た人と、赤い丸に『M』の文字。ルイージとマキシムトマトだろう。
けして上手いとはいえない絵だが、とてもあたたかみが溢れている絵だ。
「それからね、あとコレ!」
「ん? それは……」
カービィが取り出したのは一輪の赤い花。
そのひらひらした花弁を持つ花の名前を、ルイージは良く知っていた。
「……カーネーション?」
「うん! ネスが『持っていったら喜ぶよ』って! あともう一個、コレ」
次にカービィが取り出したのは、名刺サイズの紙の束。
中には一枚一枚、肩叩き券やお手伝い券などと書かれてある。
「そっちは小さい方のリンクが持って行ったらいいよって!」
「……」
しばらく無言でいたルイージだったが、にっこりと笑顔でカービィの頭を撫でる。
「……ありがとう、カービィ。僕すっごく嬉しいよ。お礼に今夜の夕食は、特別にネスと小さい方のリンクのハンバーグも食べていいよ」
「本当!? やった! ありがとうルイージ!」
頭を撫でるルイージの笑顔が黒く見えたのは、言うまでもない。
ルイージへ
いつもいつも、おいしいごはん、たくさん作ってくれてありがとう!
ルイージの作るごはん、すっごくおいしいよ!!
またマキシムトマトのサラダ作ってね!
カービィより
Top