二周年記念
胡蝶の夢
屋敷の中はとても忙しいようで、自分は入ってきたことにもみんな気づかない。
邪魔しても悪いし、何も告げずに屋敷を散策しようとした。
「え、……ちょっ!?」
声に振り返ってみると、黄緑の服に包まれた青年・リンクが驚いた表情でこちらを見ていた。
こちらが何か言うよりも早く、腕を引かれて近くの部屋へ連れ込まれる。
「なんで貴方がここに!? 約束の時間はまだでしょう?
……皆さん、貴方を驚かせようといろいろ頑張ってるんですよ。
時間が来るまで、この部屋で待っててくれませんか?」
呆れた表情のまま自分を椅子に座らせ、リンクはドアに手をかける。
最後にもう一度だけ、出ちゃだめですよと念を押して彼は部屋を後にした。
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