5000hitお礼企画
ノベルゲーム
夏の夜の華
「ボク、射的に行ってみたいんだ」
「射的? そうだね、面白そう!!」
「よーし、ぼくのパチンコの腕、とくとみよ!!」
「パチンコじゃなくて、おもちゃも銃だと思うけどね」
ネスのぼそっと呟いた言葉は、幸いにもトゥーンリンクの耳には届かなかったようだ。
三人が射的の店を探していると、一箇所人だかりができている場所があった。
「なんだろう? 行ってみよっか」
「そうですね」
「あれ? あれフォックス達じゃないか?」
三人が目にしたのは、おもちゃの銃を構えたフォックスとファルコ。
と、フォックスが放った玉が手前の一段目にある人形の頭をギリギリで当てて倒し、
そのまま二段目にある何かのフィギュアのど真ん中に当てた。
一度に二つ倒したフォックスの横では、ファルコが両手に銃を構えている。
ほぼ同時に放たれた二つの弾は互いにぶつかり、跳ね返って景品のど真ん中に入った。
見事景品を討ち取った二人に、周りから拍手が沸き起こる。
もちろん店の人は渋い顔をしていたが、二人はさして気にした風でもなく次の弾を込め始める。
「さすがだね、お二人さん」
「ネス! それにリュカも、トゥーンも」
「なんだ、お前らも遊びにきたのか。残念ながら此処の景品は俺の獲物だ」
「……とりあえず、此処では遊べそうにないね」
「そうだな。てか、何か一つちょうだい!」
「いいぞ。一人一つだけな」
「おい、フォックス」
「別にいいだろ、これ位。好きなの持って行っていいぞ」
「「ありがとう!!」」
三人は声をそろえ、笑顔でお礼を言った。
おもちゃを選ぶ三人を見て、フォックスだけではなくファルコも満更では無さそうだ。
それぞれおもちゃを選んだところで、三人は他の店に移る。
「どうする? 別の射的の店探す?」
「う〜ん、どうしようかなぁ」
「そうだな……」
と、突然トゥーンリンクのお腹から気の抜けた音が響いた。
トゥーンリンクは、苦笑を浮かべながら言う。
ねぇ、そろそろお腹すかない?