[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。




5000hitお礼企画

ノベルゲーム
夏の夜の華






「射的って、具体的にはどういうものなのかしら?」

「まぁ、簡単に言うとおもちゃの銃で景品を撃ち落すゲームですね」

「こういうのは、兄さんよりも姫のほうが向いてるかもね」

「きっと我輩が一番上手なノダ!」

「クッパは銃を持ったり、持てても引き金引くのが難しいでしょう」

「ぐっ……」




悔しそうに唸るクッパをよそに、一行は手近な射的の店に向かう。

だがそこは、大きな人だかりが出来ていた。何かあったのだろうか。

背の小さいマリオに代わり、ルイージが店を覗き込むと既に景品はほとんどなかった。

そこで銃を握っていたのは。




「よお、マリオ達じゃねぇか」

「ファルコ! それにフォックスも!」

「残念だったな。少し遅かったよ」




そうニヤリと笑いながら言うフォックスの手には、射的で取ったのだろう景品が山積みになっていた。

隣にいるファルコの手にも、同じような山がある。

その後ろでは、射的の店のおじさんが泣きそうな顔で他のお客に頭を下げている。なかなかに可哀想な景色だ。




「フォックス! 次の店行くぞ!!」

「そうだな」

「おいおい;二人ともそんな、道場破りのような真似はやめとけよ;」

「いや、この景品を使って俺達も店開くつもりなんだ」

「儲かりゃ、少しは借金返済にあてれるからな」

「……二人とも、本当に切実なんだね;」




異様に目が輝いている二人に、水を差す者がいた。




「あら。でも、確か場所代とか言うのもかかるんじゃなくて?」

「そういえばそうなノダ」

「な……っ!」

「そうなのかっ!? じゃあ意味ねぇじゃねぇか!!」

「いや、単に楽しめよ。それがもともとの意味だろ」

「な、なんだったらフリーマーケットとか今度開いたらいいよ」

「でも、それも場所代がかかるんじゃないのか?」

「マスターに言えばなんとかしてくれるんじゃないかしら?」

「そうかもしれねぇな……。それじゃあ、お前らも祭りを楽しめよ」




多少凹んだ様子で、フォックスとファルコが人込みに消えていった。

そんな二人を見送りながら、四人はなんともいえない気分になる。




「ま、まぁ、オレ達も次に行こう」

「そ、そうだね」

「あっちの方に行って見ましょうか」

「……さっきのは忘れることにするノダ」







向かった先には、金魚すくいの店。