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5000hitお礼企画
ノベルゲーム
夏の夜の華
「射的って、具体的にはどういうものなのかしら?」
「まぁ、簡単に言うとおもちゃの銃で景品を撃ち落すゲームですね」
「こういうのは、兄さんよりも姫のほうが向いてるかもね」
「きっと我輩が一番上手なノダ!」
「クッパは銃を持ったり、持てても引き金引くのが難しいでしょう」
「ぐっ……」
悔しそうに唸るクッパをよそに、一行は手近な射的の店に向かう。
だがそこは、大きな人だかりが出来ていた。何かあったのだろうか。
背の小さいマリオに代わり、ルイージが店を覗き込むと既に景品はほとんどなかった。
そこで銃を握っていたのは。
「よお、マリオ達じゃねぇか」
「ファルコ! それにフォックスも!」
「残念だったな。少し遅かったよ」
そうニヤリと笑いながら言うフォックスの手には、射的で取ったのだろう景品が山積みになっていた。
隣にいるファルコの手にも、同じような山がある。
その後ろでは、射的の店のおじさんが泣きそうな顔で他のお客に頭を下げている。なかなかに可哀想な景色だ。
「フォックス! 次の店行くぞ!!」
「そうだな」
「おいおい;二人ともそんな、道場破りのような真似はやめとけよ;」
「いや、この景品を使って俺達も店開くつもりなんだ」
「儲かりゃ、少しは借金返済にあてれるからな」
「……二人とも、本当に切実なんだね;」
異様に目が輝いている二人に、水を差す者がいた。
「あら。でも、確か場所代とか言うのもかかるんじゃなくて?」
「そういえばそうなノダ」
「な……っ!」
「そうなのかっ!? じゃあ意味ねぇじゃねぇか!!」
「いや、単に楽しめよ。それがもともとの意味だろ」
「な、なんだったらフリーマーケットとか今度開いたらいいよ」
「でも、それも場所代がかかるんじゃないのか?」
「マスターに言えばなんとかしてくれるんじゃないかしら?」
「そうかもしれねぇな……。それじゃあ、お前らも祭りを楽しめよ」
多少凹んだ様子で、フォックスとファルコが人込みに消えていった。
そんな二人を見送りながら、四人はなんともいえない気分になる。
「ま、まぁ、オレ達も次に行こう」
「そ、そうだね」
「あっちの方に行って見ましょうか」
「……さっきのは忘れることにするノダ」
向かった先には、金魚すくいの店。