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ノベルゲーム
夏の夜の華






「あ、マリオさんにピーチ姫。それに、ルイージさんやクッパさんも」

「リンクに、ゼルダ姫」




金魚すくいの店には、既にリンクとゼルダ姫がいた。

二人の手にした小皿を覗くと、リンクの小皿には二匹ほど、ゼルダ姫の小皿には一匹もいないようだ。

ゼルダ姫のポイは既に破れてしまっている。




「わたし、初めてで全然取れなくて」

「私もあまり上手くないんですが、なんとか二匹ほど取れました」

「オレだってそんなもんだよ」

「僕も、ぜんぜん取れないんだよね」




マリオたちが見守る中、リンクが水中の金魚に集中する。

一瞬の隙を突いて、ポイを水中へ。

一匹の金魚を小皿に入れた。だがそれと引き換えに、とうとうリンクのポイも破れてしまった。




「おお!」

「あぁ」

「……やっぱり掬うのは、釣りと違って難しいですね」




苦笑しながら、破れたポイと小皿を店員に渡す。

金魚を袋に入れてもらい、二人は立ち上がった。




「それじゃあ、わたし達は他のところをまわってきますわ」

「そうですね。それじゃあ、皆さんも楽しんでくださいね」

「おう! じゃあ、また後でな二人とも」




四人は、並んで歩いていく二人を見送った。





「……姫、オレ達もやりましょうか」


「おい。ちょっと来い、緑のヒゲ」