ずいぶんと懐かしい顔を見た
でも、なんで
夜蝶
07
マリオとピットが出会ったのと同時刻
「アレは…」
<何々?目標、見つかった?>
「あぁ。今から追跡を開始する」
<了解。無茶はしないでね、フォックス>
「当然だ」
フォックスが通信を切る。
アーウィンで追跡する先には、マリオ達やピットが見た戦艦があった。
今はずいぶんと離れているが、じきに追いつくだろう。
と、戦艦ハルバードの前方に、何かが光った。
「ん…?あれは…」
「カービィ!後ろに来てるわよ!!」
「わかってるよ!絶対落ちないでね!!ワープスター、スピード上げて!!」
ハルバードの前方で、ワープスターがキラキラと星を散らしながら高スピードで飛んでいた。
言わずもがな、カービィとピーチである。
「ねぇ!さっき一瞬見えた赤いのって、マリオじゃないかしら!?」
「えっ!?うそっ!どこ!?フィギュアなら回収しないといけないじゃん!!」
「でも、誰かと一緒に居たように見えたわ!」
ワープスターは高速で飛んでいる為、赤い影はずいぶんと後ろに行ってしまった。
どうするかカービィが迷ったわずかな隙を突いて、ハルバードが突撃してくる。
「ピーチ姫!!」
やっとのことでハルバードに追いついたかと思ったら、ワープスターごとピーチ姫を撃墜しやがった…!
ハルバードを追おうと足を踏み出すマリオを、ピットが止める。
「離せピット!ピーチが!!」
「無茶ですよ!あんなに速いのに!!…それに、もうすぐ雲海も切れます。これ以上追いかけられないですよ!」
「でも、ピーチが…!」
なおも言い募ろうとするマリオの頭上を、一つの影が滑った。
それは、ものすごいスピードでハルバードに追いつき、レーザーを発射する。
さらに、ハルバードからのビーム砲や、他の砲弾すらも、アクロバティックな運転で回避している。
「アーウィン…。フォックスか」
「え、マリオさん知ってるんですか?」
「あぁ…。仕方ない、ここはあいつに任せるか。…ピット、地上へはどっちに行けばいい?」
「ピ、ピーチ!大丈夫!?」
「な、なんとか…」
ハルバード甲板に着地した二人。
ワープスターは先程の衝撃で、粉々になってしまった。
カービィが辺りを見回すと、見慣れた砲台が目に入った。
絶えずビーム砲を放っている二連主砲から、勢いよくアームが伸びる。
その先には、アーウィンが飛んでいた。
「フォックス!?あぶないっ!!」
「あぁ!アーウィンが…!!」
カービィ達の目の前で、フォックスの乗ったアーウィンはアームに撃墜された。
と、アーウィンが煙を吹いて落ちてくる。
「アレ?ねぇ、もしかしてこっち来てない?ねぇこれやばくないっ!?」
「きゃぁああぁ!!?」
<くそっ!コントロールが利かねぇ!!>
撃墜されたフォックスは、カービィとピーチを巻き込んで地上へと落ちていった。
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