絶対絶対助ける






いつもいつも助けてもらってるから







オイラだって







 夜蝶
    13





リュカと、野球帽の少年が、ちょうどポーキーを倒した頃。




薄暗い森の中を何かが猛スピードで駆けていく。

その先には、一筋の光が見えていた。




ガサァッ!!




森を抜けた先には、一面に広がる湖が姿を現した。

薄暗かった森とは違い、眩しいくらいの太陽の光が湖面にきらきらと反射している。




「さっきのカメ!どこ行ったのサッ!?」




もの凄いスピードで森を抜けてきたチンパンジーが、辺りを見回す。

湖面は風に揺れるだけで、辺りは静かなものだ。

と、湖岸に見たこともないような物があった。なにやら煙が出ている。




…なんだろう、アレ?




先程までの怒りは何処に行ったのか。

興味に駆られるまま、それに近寄ろうとする。

それは巨大な、何かの機械のようだった。

ディディーが一歩踏み出したその時、湖面に突然大きなさざ波がたつ。

脳内で警鐘が鳴っている。野生の勘か、すばやく湖岸から一歩離れた。




言葉にしがたい、咆哮が辺りいっぱいに響く




突如湖の中から現れた、ヘビの様な見たこともない生き物が耳障りな咆哮を続けている。




「あわわわわわわわっ…」




突然の巨大生物を目の前に、腰が抜けてしまったディディー。

その場に座り込んで、両手を前に突き出して振っている。

と、謎の巨大生物が湖岸の機械を発見した。

それに向かって、エネルギー体を放つ。




「あぁっ!!」




もちろん、エネルギー体のぶつかった機械は爆発して、火を噴いた。

それを見たディディーは、さらに腰を抜かして唖然とするばかり。

巨大な生物が近寄ってくるのに気づかなかった。















熱い




「う……」




大きな振動と全身を包む熱さに、目を覚ます。

何処だここは。部屋はこんなに暑くないはずだ。俺は何をしている?

と、急に全身の痛みを感じた。

目の前の視界が、一気にクリアになる。

目に飛び込んできたのは、炎に包まれたアーウィンの操縦席だった。

同時に、これまでの記憶が一気に雪崩れ込んできた。




「っ!?」




そうだ。俺は確か、変な戦艦を追っていて…




と、目の前の水場に巨大な蛇と、それに捕まっている猿が映った。














一瞬意識が飛んだ。

だが、全身を打つ水の感覚に、すぐに意識が引き戻される。

足が宙に浮いている。何故だ?

気がつけば、先程の巨大生物に捕まっていた。

どうやら捕まった後、湖に一度潜って再び顔を出したようだ。

顔を近づけてきて、一吼えする。




「わわわわわわっ」




食べられる、と思いその手から逃れようとするが、叶わない。

覚悟を決めかけた時、何かがディディーと巨大生物の間を駆け抜けた。

同時に身体が宙に放り出された。

そのまま湖に落ちるが、すぐに岸へ上がる。

そこには、一匹の狐が立っていた。












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